評判の悪い現行OSがバージョンアップされ、マシン本体や新技術の信頼性が確認できたあたりでの買いって感じかな〜。
それにしても、ここ近年のアップルプロダクトのデザインはカッコいい。
ピカピカとアホみたいに光るわけでもなし、主体性なくカラーバリエーションが揃ってるわけでもないのにカッコいい。でもデザインで、これが一番難しい。カッコつけてる感じがしないのにカッコいい。じゃあ、特にどこが? というわけでもない。これもデザインとしては最も難しい部類だ。キーボードが7色に点滅してカワイイ。とか、そういうアホな商品とは明確に違う。一つ一つの部品やディティール、素材感なんかを考慮しながらバランスの良いデザインに仕上げる。そして、そのデザインに自信を持っている感じが伝わってくるからカッコいいわけだ。「あのぅ〜、好みって色々だと思うので、お好みで選べるように30色用意しておきました。」こんな商品にはデザイナーは必要ない。好みは色々ではない。こういう商品で、こういう雰囲気だから、フィニッシュは当然これでしょ。が正しい。こういう突き詰め方をすると、デザインの選択肢というのは、実はそれほど発生しない。“アリ”の範囲というのは意外に狭くなる。それが正しい。
でも、それを打破することもまた正しい。そして、それは非常に難しくもある。それは全く新しい視点が必要だからだ。そんなときに「あぁ、結構、なんも思いつかないもんだな。どれも普通で当たり前だ。」あるいは「ただ変ってるってだけだな。」と自分の能力の平凡さを思い知らされるわけだ。新しいスタンダードを作れるってのは一番天才だな。これは、どの業界においても滅多にいない。近年のアップルコンピューターは、それに近いところにいるいくつかのメーカーのうちの一つだと思う。
“新しいスタンダードになり得る視点や価値観の提示”は、物理や科学の“新技術、新発見、新発明”に匹敵する社会的価値があるにも関わらず、全く放置され、表面的に模倣され、いつしかねじ曲げられ、消費されてしまう。くだらない音楽の著作権を保護するヒマがあったら、こういう価値観の著作権を保護〜研究〜応用をするほうが、数万倍、未来の役に立つはずだ。それは(多くの国の)現行の特許や実用新案の範疇では全くカバーしきれておらず取りこぼされている。この100年分の価値観を拾うだけで、どれだけの財産があるだろう? おそらく21世紀の100年分食えるくらいの価値観という財産が無造作に忘れ去られていると思う。しかし、厄介なことに“価値観”は掘り起こしにくく理解しにくい。
3 件のコメント:
さすが現役デザイナーの含蓄だす!
>To:Pochi
いや、だから、僕は凡人だなぁ。と毎日のように思い知らされてるわけです。こう言っている今だって、簡単なレイアウトアイデアの一つも浮かばないし。w
思いつくのは、ごくありふれたものばかりです。
もう見飽きたレイアウトばかりです。
また、それ〜・・・? また、そうしちゃうの? それ、この前も似たようなの作ったよね? とセルフツッコミの連続です。主婦が毎日の夕食メニューに悩む気持ちがわかります。w
少し面白いなと思うものは、過去に何かで見た事のあるものに似通っていることに気づいてしまって落胆したりの毎日です。こうして日々「オマエは本当にヘタクソだな」と思い知らされるんです。
そんで最終的には時間がなくて「むぅ・・・他にないのか・・・」と思いながらも一番マシそうなもので妥協するわけです。「いつものカレー」みたいなもんです。
だからいつまでたっても作品集が作れません。(笑)
作品集を作る気が起きないんですね。それを初対面の人に見せながら説明なんて、とても無理です。
ストイックとか、自分に厳しいんではなくて、本当にイマイチなんすよ。悲しい事に。(苦笑)
どちらかと言うと自分に甘いほうなのに、それでもイマイチなんだから泣けてきます。つくづく向いてねぇなぁと。でも制作は好きではあるから仕事として続いてるってだけですね。良いクライアントに恵まれましたよ。運だけは良いんです。神は生きて行くために何かを与えてくれているもんですね。w
運が良いのも才能!
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