11/01/2009

1972年〜82年生まれは不遇

ニュース元

確かに、そうなんだよなぁ。ホント可哀想。(苦笑)
この世代は「不遇の世代」だと言うのは10年以上前から後輩に言ってきた。

この世代って、今37歳〜27歳か。知ってる人多いなぁ。
超売れっ子と不遇が極端。そんな印象。

自分らのころまでは若干バブル残っていて、数年はいい思いができたけど、5年後輩となると完全に終わっていた。
でも、バブリーな先輩を見てるもんだから余計に悲惨だなぁ。
また不遇なことに、カルチャー的にも境目になってない。

平成元年卒業生あたりからの世代は、クラブミュージックだとか、DJという存在の台頭だとか、バンド系ミュージシャンが使われるようになった最初の時代だった。まさに自分もジャストそこだった。
それ以前の先輩達はニューウェーブとかニューミュージックで、非常にハイファイなサウンド指向だったけど、僕らは、当時それがすごく嫌いだった。やっぱり80年代にすっかり飽きていたし、景気も良くて若い連中でも金もあるから反発したくなる。まだ20代前半だし。だから自分で店を始めたヤツもたくさんいたし、それなりに回ってもいたからカルチャーとして、ある程度の規模で成立していた気がする。

でも、不遇の世代の場合は、中学とか高校時代に台頭し始めたばかりのクラブミュージックとかDJ文化に傾倒してしまって、あまり自分の世代のカルチャーができてなかったんじゃなかいかと思う。もちろんグランジとかのロックは流行ったし、僕らにはわからない文化も持っているし、彼らも同じく僕らのような先輩世代にダサさを感じてもいただろうと思うが、社会とか企業が触手を動かすほどの余力が社会になかったのが不遇だった。

結局はアンダーグラウンドの若者カルチャーで終わってしまう感が強い。善し悪しではあるが、ある程度、大人社会とかリーマン社会からの資金流入がなければカルチャーは潤いにくい。チケット代だけじゃね。金持ってるネクタイから金引っ張らないと、貧乏同士でリンクしてても内輪で終わる率高いわけだし。今は、その企業だとかも金がないけど。(笑)

金持ってくるとか、金かけりゃ良いというわけじゃないし、その考え自体がダサいとも言えるんだが、社会全体に循環するために必要な体制ってのはある。回らないと次はないわけなので、短期間で停滞する。かと言って、借金して無理して回そうとしても、受け入れる社会のマインドに余裕がないと新しいものは受け入れられにくい。50年代のアメリカで、斬新なロックンロールや、イームズ等のモダンファニチャーや、巨大なキャディラックが社会に受け入れられたのは、戦勝国であるアメリカ社会に余力があったからだ。安全マージンを確保している気分があるから新しいものにチャンスが回る。

一般のリーマン社会も可哀想なんだろう。そこの社会はあんまし良く知らないから何とも言えないが、取引先に行くと、その会社に見合わないような高学歴がいたりしてビックリすることは多い。印刷会社の営業が京都大学卒とか。w 印刷屋にそんな高学歴全然いらないし。そもそも出版社〜印刷屋なんてのは、学生運動やりすぎて就職できなかった人が行くところだった。もっとやりすぎていた人は紙屋。(笑) だから紙屋は酒癖最悪な人が多い。w

でも、今の40代〜50代も悲惨だ。
リーマンは実力に見合わない会社に入ってしまって、超高学歴で優秀な後輩ばかりで、チャラチャラと浮かれた若者時代を過ごしてしまった世代は、かなりキツいはずだ。自営の人も、スタートが楽だっただけに、倒産&破産続出。(苦笑)

そういう意味は自分はラッキーだったのかも知れない。
今のデザイン事務所を設立したのが、ちょうど10年前。平成大不況のど真ん中だった。でも、今は、その時よりも社会的には悪い状況な気がする。今、起業していたらダメだったかも知れない。やっぱり10年分の蓄積は大きいんだろう。


で、90年代以降の人たちは、自分たちのカルチャーを持っている気がする。
ちょっとポジティブすぎだったり、いいヤツすぎて気持ち悪いときあるけど。できすぎな感じ。
んでも、わかってるわりに仕事の中身は全然だったり。まぁそれで当たり前なんだけど。(笑)
やっぱり、音楽でもデザインでも実務力ってのは時間がかかる。頭でわかることは情報があふれている現在なら誰でもすぐ得られる。そういうことなんだろう。でも、それは誰もが並行的に同じ条件であるってことだ。つまり、その価値は高くないってことなんだろう。

自分のときは、まさに企画時代だった。プランナーやコピーライター全盛。
誰もが「コンセプトが」とか言ってた。
でも、20年後の今、どうなっているか?
結局のところは、目に見えないコンセプトだけを作れる人はいなくなった。
そう。目に見えないものは仕事にならない。
コンセプトは仕事の全てじゃないということ。
それはモノを作るときの設計図であって、それを実行しなければ何の意味もない。そして実行するには馬力が必要。それはつまり実務力がないと何の意味もないってことになるな〜。めんどくせ。(笑)


※本文と画像は一切関係ありません。

6 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

わぉ♪見事なドッチー的世代論。なるほどなぁ…80年代後半に擬似オジサン化しちゃった自分には若者文化の変遷がリアルには分かってないけど、それなりに納得w。リーマン社会からの資金流入についての件はかなりスルドイ考察だと思います<(_ _)>。

>不遇の世代の場合は…あまり自分の世代のカルチャーができてなかったんじゃないかと思う。

団塊の金魚の糞世代(1950~1959)と位置付け的には似てるんだけどね。根拠レスなバブルの後じゃあ糞の糞だもんねw。
ちなみに私は団塊の金魚の糞世代(1950~1959)とバブル世代(1960~1969)のちょうど境目。印刷会社で地味でマジメな技術屋してたからバブルの恩恵なんか全然受けてね~よw。

>超高学歴で優秀な後輩ばかりで、チャラチャラと浮かれた若者時代を過ごしてしまった世代は、かなりキツいはずだ。

リーマン社会では、上の世代はどんなチャランポランな奴でもそれなりのポストに付いててwもうすぐアガリ!って感じで横並びにハッピーなんだけど、バブル世代後半から団塊Jr.世代にかけては頭数が多いせいもあるけどポジションにかなりバラつき出ちゃってます。そいつら査定するのは骨が折れるw。たしかに90年代以降の人たちはできすぎ感満載!w。そつがないし扱いはラクでいいけど気をつけてないと頑張り過ぎてウ○になっちゃったりするし。こいつバカか?wみたいな荒削りでもパワーを感じさせるワカモノが会社に入ってこなくなって久しいなぁ。そういう会社って衰退しちゃうよねw。

d3/office D3 さんのコメント...

>TATUYAさん
うは。こんなウザ独り言にコメントいただけるなんて。よほどお暇なんですね。w

リーマン社会って言うのは、いわゆる一般社会というか、大多数というか、音楽とかにそれほど重点を置いていない人たちです。でも、こういう層に支持されないとカルチャーって仕事にならんのですね。JーSoulとかだって、ようやく最近じゃないすか。一般に浸透したのって。10年以上かかってます。しかも、TVCMとかによってやっと広まったんですね。

ボクら印刷業界はねぇ。長いこと不況だから。(爆)
んでも、ボカァ制作とかでいい思いしましたよ。少しだけですけどね。w

60歳以上とかは、まぁそれなりにいい時代だったのかなって気がしますよ。全体主義的な社会だったと思うけど。

それから下の世代の人たちを査定ってキッツい仕事すねぇ。オレ無理。
今の40、50代って若い頃に怒られたり、鍛えられたりしてないから、いいオッサンのくせに、意外にすぐヘコむし。w 

ちなみに僕もです。褒められて伸びる面倒くさい世代ですんで、そこんとこよろしくです。(^^)V

僕の友人で、連絡方法が直接訪ねるか、手紙送るかしかない人が3人もいます。昔からバカでした。w 
ギリシアから徒歩で日本まで帰ってきたヤツとか。(笑)
そいつ、今、阿蘇で織り機を自作してます。全然売れてないけど・・・。年間2台くらい。ゴキブリ並みの生命力のバカだけど、会社にいたら普通に困ると思いますよ。w

あき さんのコメント...

これ、mixiか何かのリンクで読みましたよ。

大学出て、一度就職した時までは、自分は全うな道?をたどるんだと思ってました。フリーターとかって、自分で時間管理とかしないといけないし、そんな不安定な生活、良くできるな〜と。

法改正も手伝って、周りに仕事辞める人とかフリーターとかがうじゃうじゃいる頃には、自分もその一人になってて、ちょっと、踊らされた感もありますが、それでも、趣味ができたのも、色々学びたくなったのも、人生が面白くなったのもフリーターになってからだから、後押ししてくれた?世間には大きな不満は無いかなあ。

だた、親には迷惑も心配もかけてきたので、帰って早く恩返ししないと!

d3/office D3 さんのコメント...

>あきさん
MIXIニュースからです。ありましたね。

不遇な世代と言われる10年ってフリーター多いすね。
でも、別にだからと言って、それが不幸だとは思わないんですよ。だから、MIXIでは「不幸」とありましたが、僕は「不遇」と呼んでます。別に不幸なわけじゃないと思いますよ。不幸かどうかは個々の感じ方の問題ですからね。
むしろ、会社員なんて長い目で見たらタフだと思うし、実力以上の会社に簡単に入ってしまった40代〜50代よりも将来的には、ずっといいと思いますね。

ただ、クリエイター的にはどうかな?と感じるとこあります。人数多いわりに。

世代でひとくくりにするのは乱暴な話だと思いますが、団塊ジュニアのゾーンの人たちは、クリエイトするよりも大多数で消費してゆくゾーンな感じがします。全体的には。

クリエイターも数が多すぎ&多様化しすぎてしまっていて、世間一般目線で見たら人数のわりに力を発揮できてない感じがします。クオリティ的にもなんだかユルいのが多いと感じますし、それを正当化してしまうジャンクさを感じます。ジャンクって、そういう意味ではないと思う・・・と感じてしまうことが多い。これは僕がおじさんなだけかも知れないし、僕らの先輩も僕らに同じことを感じていたかも知れないし・・・。実際、僕らの先輩はクオリティと言う意味では非常に高かったです。今だにかないません。(笑) ニューミュージック系の人の演奏精度の高さ、フュージョン系の人の演奏技術。全く驚きます。

でも、同一目線で見ると、今の20代前半あたりの人たちのほうが個性とかクリエイティブさを感じます。グラフィックデザイナーとかでも技術的に上手い人が多いですね。これは明確。30代はデザインでも音楽でも上手い人が少ないです。理由は不明ですが、インディーズ感ばかりが目立ちます。技術というのは基準が明確なので、そういう傾向は実際にあるんだろうなと思います。

これはデザイナーで言えば、先輩に育ててもらえなかったからだと思います。それは状況なので「不遇」だと言えます。そこまでデザインの現場に余力がなかった。音楽業界も同じかも知れません。師弟関係というのは、僕たちのあたりで崩壊していたんですが、僕らはまだ、新しさを感じてもらえたのでラッキーでした。でも、その下あたりになると、レアグルーヴも、クラブミュージックも、レア音源もディグされつくされ、消費され尽くしてしまって飽きられてしまっているのに、その土壌でがんばろうとしているように見えます。もう金鉱はないのにも関わらず・・・。

でも、その下の世代は、それを見ているので、学生時代にかなりの技術を身につけているケースが多いと感じます。「これはヤバいぞ。」と。もう、あの山からは金は出ないぞ。と。

ただ、これらの話は、繰り返しになりますが、全体全てがそうだという話ではないし、それで個々がつまらない連中であるってわけでもないんです。むしろ、人間的に面白いヤツが多い気がします。スキなくソツなくよりも、スキだらけでストレートな感じが不器用で憎めないのです。(笑) 

あき さんのコメント...

おおっ!長いコメントをどうもです。

ど田舎育ちだし、10代、20代前半はほとんどクリエイティブ系の人たちとは無縁だったので、今30代のそういった人たちがどういう位置づけにいるのかはよく分かりませんが、とりあえず前の世代の人が作ったものに憧れて後をくっついて来た感じなんですかね。前に習っておけば間違いないみたいな。


技術面〜ん〜。ソフトが使い易くなったとか、デザイナーという職業が浸透?してきたのもあるんでしょうか。

デザインとかの勉強してる人って回りにいなかったのもあるけど、私にとってデザインって、職業かそうでないかの2択だけでしたね。趣味にしろ何にしろ、自分に手が届く範囲にあるものだとは思ってませんでした。



これは私の感覚ですが、なるべく列を乱さないように、出しゃばらないようにと言われて周りを気にしながら来たから、自分の個性を伸ばすとか、新しい事をする事が良い事なのかも分からなかったし、絵や音楽でお金になるのはほんの一握りの人だよ、って刷り込まれてるから、全て投げ打ってそれ一本になる事はできないけど、アルバイトでも食いつないでいける社会になったから、夢見る程度には続けられるとか、とりあえずやりたい事はやってるつもりで没頭できてない、みたいなw


10代とかでもバシバシ色んな事してる人を目の当たりにすると、今の若い子ってすごいなあ〜と思ったりします。私が10代の頃はそこまでの子がどれくらいいたのかは分かりませんが、以降、多様化によって世間が受け入れてくれる範囲も広くなってるから、今の子の方が色々出し易いんじゃないかなとは思いますけどね。それも不遇なのか。

40代の人って、私たちが20代の時30代ですよね。30代になってみて、自分らが20代の頃、30代ってもっと大人に見えたけどね〜って言ってますけど、実際、ホントにもっと大人だったんじゃないかと思いますよ。


因に、私が今回デザインを選んだのは、音楽とか色々やって、巡り巡って自信がついたからです。残念ながら、これで食べていける自信ではないのですが、これを続けていける自信と、これをやってますと言えるようになる自信ですかね。

何を手段にしたら目標を達成できるだろうかと悩んだ時に、頑張って続けていけそうで、少しでも可能性がありそうなものって事で。勿論、デザインで食べていけるようになるってのも目標の一つですけど。


ところで、技術的にうまい人とか、仕事が速い人ってクリエイターと言いますか?それとも、単なるデザイナーですか。単なるというのもおかしいですが。。
作品のクオリティーにはクリエイティブであるかどうかも含まれるとは思いますが、技術と知識だけでもクオリティーが高いね〜と言われる作品はできますか。

d3/office D3 さんのコメント...

>あきさん
僕の10代は映画と音楽とエロ本で彩られていました。それ以外は何もなかった気がしますよ。スポーツとかゲームとか全然興味なかったし。w
30代は、僕らも何も変わってないなぁ。と感じていたけど、50歳の人も同じことを言っていたんで、そのままスライドするものなんでしょう。たぶん。でも、見られ方は変わるわけで、その見た目とかとのギャップが “オヤジ臭い”の臭の部分なのでしょう。w

デザイナーに関しては、とても範囲が広いので、いちがいには言えないけど、僕の範囲である広告デザインで言えば、クリエイターって意識は全くないし、たぶん違うと思うなぁ。普通に仕事って感覚のほうが強いです。自分が金出してるわけでもないし、自分が使うもんでもないんで。あくまでも広告をする意図だとか、どう表現したら適切かってことを考えます。だから広告デザイナーは、あんまりクリエイターではないかも知れませんね。単なるデザイナーでしょうし、それでいいんじゃないかな。適切な名称ですよ。

ただ、技術が高いとか制作が早い人ってのはクリエイティブさを感じるものを作れる確立が格段に高くなるのは間違いないんじゃないでしょうか? やっぱり品質ってとても大事だと思うし、品質を上げるのは主に技術だし。制作速度が速いってことは、その分、色々試せるわけだから、これも同じことが言えると思いますよ。

「作品」と呼んでしまうと、個人的にはクオリティがどうとかの話は無意味になる気がするなぁ。それはとても個人的な基準が優先してくるイメージがあるから、それは自分が良ければ何でもいいんじゃないだろうか?と思います。ただ、それを他の人にも共感してもらって金も出してもらうには、わかりやすくするために技術は有効な手段でしょうね。当然。それは誰が見てもわかるほど圧倒的に美しい質感だったりすれば、すぐに伝わりますからね。非常にわかりやすい。もちろん多くの人が「クオリティーが高いね〜」と言うでしょう。それで自分でも許せる範囲であれば、それは良い作品ってことになるんじゃないでしょうか〜。