4/06/2008

【ドラムの記憶】ロジャース

知人宅スタジオにて、以前、僕が持っていたロジャースのタイコを久しぶりに叩かせてもらった。相変わらず素晴らしいトーン。ロジャースは個 体差が激しくて、意外にアタリにめぐり合えないメーカーなんだけど、これは実に大当たりな一台だった。浜松までセッションがてら取りに行ったっけな。その 時に、グレッチRBの18,12,14という博物館クラスのレアキットも叩かせてもらったが、期待してたほどでもなく、20.12.14と全く変わらない 印象だった。価格は二倍以上するのに。いや、それ以上にロジャースは良かった。でも、手放した。w  
なんで手放したかというと、僕には地 味すぎるから。いいんだけど、とにかくロジャースは地味なんだよな。悪くないんだけど、とにかく音がジジイ臭い。とにかく渋すぎるので、持っていても使っ てなかったと思うので、売って正解だったんだろう。それは、今、とても似合う方が使ってくれているので、僕のところにあるよりも本望なんだろう。

今、うちにはロジャースはスネアが2台あるだけ。たったの2台。激減り。
一台は、1967年のへヴィブラスのパワートーンの5インチ。これは生産年数がたったの2年しかなかったモデルで非常にレア。この翌年あたりにパワートーンは、ダイナソニックに吸収されてしまうので、シェルがダイナと共通でありながら、8ラグで内面アタリというプロフィールが素晴らしいスネア。
そして、もう一台は50年代イーグルバッジのブルースパークル。ロジャースはグリッターって言うんだったっけな。とにかくラメが美しいことで有名だ。実際、他のメーカーに比べてロジャースのラメは美しい。このイーグルバッジのモデルは、60年代ものとレインフォースメントの形状もエッジもシェルのプライ構成も異なるが、アル・ジャクソンに代表されるようなタシタシ系のコモリ気味の暖かいトーンは、たぶん、こっちのシェルでBB(ブレッド&バター)ラグのものじゃないだろうか? 60sのスネアは、もっとブライトで、シャープなサウンドがするから。

ロジャースって、わりと憧れるメーカーなんで、色々買ってみたけど、今の気分としては、自分には合わないんだろうなと思う。音は好きだし、何かと優れてもいる伝説のドラムメーカーなんだけどね。やっぱり渋くて、ダークで深みのあるトーンなんだよな。ボカァ、どれも当てはまらないなぁ。渋くもないし、ダークな感じでもないし、人として人生の深みも感じられない。w 全てが正反対。w  
自分はロジャースを使う資格なしと判断したのです。たぶん正しい判断だと思う。(笑)

楽器って人を選ぶから怖い。特にメーカーやモデルのキャラクターが明確なヴィンテージドラムは。
現代の楽器は、とてもニュートラルなサウンドキャラクターのものが多いように感じるので、何を使っても、さほど気にはならないが、ヴィンテージ楽器は、全く似合わないものを使っている人が意外に多くて気になる。「あ~~キミは、それじゃないと思うんだけどな~」ってことは日常に多々あり。もちろん、そんなことは余計なおせっかいだし、楽器なんてのは自己満足なんで、服なんかと同じで、好きなものを迷わず使っていれば良しだとは思う。 でも、もっと似合う服があるのにな。とも思っちゃうんだよな。

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