日本音楽業界の源を聞く

僕のヴィンテージドラムについての知識や、実際に現物を買ってみないと気がすまない性格で膨大な数のヴィンテージドラム体験に並々ならぬ感心を持っていただき、なぜか非常に良くしてくれ、懇意にしていただいている方と久しぶりに吉祥寺のカフェで会った。彼は、日本の楽器業界のトップ～現場の多くの人と知り合いで、日本の音楽業界の黎明期とも言える時代から活躍していたドラマーであり、映像制作等の会社を４０数年に渡り経営してきた人物だ。彼の話は、いつも面白く、人を惹きつける魅力に満ちている。そして、申し訳ないくらい面倒見が良い。そんな人生の大先輩であり、色々なことをスマートに教えてくれる人でもあるのに、いつも、あちらからマメに連絡をしてくれることには、いつも頭が下がる思いだ。とても偉い人なのに偉そうなところなどまるでないし、会社をいくつも長年に渡り経営しているのに、説教臭いことも言わない。もちろん人を上から見るような態度など微塵もない。何度会っても、こういう人物になれたら格好良いなと思わせる人だ。

今回も、僕がスネアを失くしたという話をしたら、すぐに即日全国の買取窓口に自ら電話をし、網を張ってくれた。大阪の三木楽器、クロサワ楽器、全国の石橋楽器、新星堂、コマキ、森田楽器・・・もう、ほとんど全てである。いつもながら、とてつもないネットワークであり、彼の人望の厚さは計り知れない。そのお礼も兼ねて、本日久しぶりにお会いしたというわけだ。でも、いつも逆に何かいただいてしまう・・・。今回も３本しか製造していないカスタムスナッピーを頂いてしまった。世界的に評価の高いメーカーが３本だけ製造したモデルのうちの１本だ。以前も、同じく、カスタム制作のブラスワッシャーなどを頂いていて、何ともありがたいというか・・・彼が言うには「モニターしてくださいよ。」とのことなわけだが、そのどれもが素晴らしく、製品化して欲しいと思うのだが、実際の製品になると、価格等色々な問題でカスタムほどは良くなくなる。カスタムは、そのままいただいているので、僕は満足だけど・・・。

今日は、彼に、日本の音楽史を色々と聞かせてもらった。
昔のミュージシャン達の日常や、考え方、楽器・・・そのどれもが興味深く、貴重な話だった。
そして、また近々会いましょうと約束をして別れたわけだが、どうも僕は、このような大人物や著名人に気に入られることが少なくない気がする。僕自身は、ごくごく一般人に過ぎないのに。これは前々から不思議でならない。僕がまだ２０歳とかで、将来性があるとか、将来大物になるに違いないとかならまだしも、すでに人生の折り返しも過ぎたが別に普通の市民だ。有名なわけでもなく、特別誇れるほど人と違うキャリアがあるわけでもないし、もちろん優秀なわけでもないので、非常に不思議ではあるが、とてもラッキーというか、人との出会い運が抜群に良いんだろう。だからと言って、何かメリットを享受したいと思ったことは一度もない。そんな風に人を見るのは失礼だと思うからだ。友人として先輩として普通に付き合えれば、それで十分で、自分のことは自分で考え、行動すれば良いと思っているし、実際そうしてきた。たぶん、これからもそうだろう。それは変わらないな。これからも、この出会い系の強運は大事にしたいものだ。