2/19/2009

新手のカーフスキン

先日購入した3枚。

1.Slingerland Radio king(30s)
2.Slingerland Calfskin(40s)
3.Leedy & Ludwig(30s)

この2.のコイツが新手。
SlingerlandのSelectCalfってヘッド。
これ・・・枠とフラット・・・。帽子状になってない。でんでん太鼓とかの感じ。

で、さすがに「コレは鳴らないだろうなぁ」と思って、5” 50s Slingerlandに装着してみる。
そのサウンドは・・・「うっ・・・完全にでんでん太鼓・・・・」 
これは、さすがに使えないなぁ・・・と思っていた時、ふとひらめいた。
裏側ならいいんじゃないかと。完全に諦めていた“裏側もカーフスキン化”計画再燃!
7” 40s Slingerland Artist Modelに装着してみる。
打面側も、当時のオリジナルカーフスキンヘッドで、スナッピーも含め、ボトムヘッド以外はフルオリジナルってヤツだ。ここに、コイツを張ると完全にフルオリになる。ギターで言ったら、弦までオリジナルって感じ。

そのサウンドは・・・。





「ジーンだ(笑)」





ジーン・クルーパの音がする!
ちょっとマヌケでスカした感じのスネアサウンド。
彼は、どのドラムを使っていても、あのコミカルでユニークなトーンを出している。あれは、彼のタッチの素晴らしさが作り出しているトーンだが、彼は当時こういう仕様の楽器を使って、あの名演を残したわけね〜と感慨もひとしおな瞬間だった。

しかし、この仕様の楽器で、あれほどヌケの良いトーン出せるって、ムチャクチャ上手いよ。両面カーフスキンって、鳴りの特性が現代のものと全然違うから。なかなか文字に表すのは難しいな・・・。まぁ、でも基本鳴らない(笑) 鳴らないんだけど、詰まってるわけでもない。サスティンが少ないわけでもない。でも、ロングトーンじゃない。文字で言うと“モ”。 現代のドラムは“パ”。この違いは大きい。“モ”は鳴らない。
もちろんパパ・ジョーも、ルイ・ベルソンも、ビッグシドも、みんな相当凄いタッチを持っていたってことがわかる。打面カーフスキンは日常的に使ってるので、この辺のことはわかってはいたが、両面やってみて、やっぱそこかと確信。

つまり、その当時のドラマーのスキルとして“ヌケの良い音が出せる”ということは、とても重要なスキルの一つだったってこと。

その点に関して言えば、ジーン・クルーパは、当時ナンバーワンドラマーだったと思う。たぶん、当時の彼の圧倒的な人気の高さは、音の良さにあったんだろうなと思える。なかなかスコン!って通る音を出せる人がいなかったんだろうなと。カーフスキンヘッドしかなかった当時はPAもなく、バンドもビッグバンドだから、生音の通りの良さは重要だったんだろう。だから、平均的に見て、現代のドラマーよりも、タッチとか楽器を鳴らすテクニックは上だった気がする。PAが普及してきてからは、開場も大きくなり、また違うスキルが求められるようになったというわけか。

音の良さで言ったら、ジーン・クルーパとレイ・ポデューク。どちらもディキシースウィングをルーツに持つドラマーだ。デューク・エリントンは、当時、「良いドラマーは?」と聞かれて「ジーン・クルーパとレイ・ポデュークだ」と答えたらしいが、その理由は「スネアがプレイできるから」と答えたことからも、当時のミュージシャンの価値観が見えてくる。

やっぱり、当時の音楽を作っていた道具である楽器は、音楽の背景に隠れた多くの秘密を教えてくれるものだ。なるほどな。と。

もちろん今日も“マイなるほどな”認定。


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